『……すまないが話す時間がもう無い。リッチー=アガンドラの詠唱がもうすぐ終わってしまう』
『分った、開幕全開でいくわ……』私の故郷の両親や、このペンダントやレッドニードルの事など聞きたい事は山ほどある。
(今考えるのは、目の前のにっくき敵であるリッチー=アガンドラをこの手で倒す事っ!)
ただの因縁だけじゃない、リッチー=アガンドラを倒さないといけない理由が私には沢山出来てしまったしね。
「私の血を吸いなさい! レッドニードル!」
私の言葉に反応し、胸元のペンダントは眩い真紅の輝きを放つ!
手に持っていたレッドニードルの柄の部分からは、まるでバラのツタのようなものが発生しそれらは蠢きながら私の腕に巻き付いていく!
「……っ!」
この痛みには、正直慣れそうもない。
それらは私の腕に巻き付き、徐々に血を吸っていく。
その間もリッチー=アガンドラの様子を見てるが、淡々と詠唱を続けている様子……。
一方、レッドニードルの血を吸う行動が先に終わりのがいつもの自身の感覚で分かる。
よし! 条件は成った!
私はリッチー=アガンドラを睨み、叫ぶ!
「真紅の炎よ! 私の敵を全て焼き尽くせ!」
私の声に応え、レッドニードルの刀身から放たれしは複数の紅蓮の炎!
それはまるで真紅の大蛇の如く牙を向き、リッチー=アガンドラに襲い掛かる!
「我が声に応えし凍てつく氷剣らよ! 我が牙となり我が敵を切り刻め!」
が、ほぼ同時にリッチー=アガンドラの魔法も発動し、その命に応じ奴の周囲に巨大な無数の氷剣が浮かび上がり、それらは私めがけて襲い掛かって来る!
(……っ! タイミングが悪かったわね。しかも、なんなの? この寒々とした重苦しい氷の剣はっ!)
『レイシャっ! リッチー=アガンドラの十八番「絶対零度の剣」だ! 気をつけろ!』
「分かったけど、もうなるようにしかならないわ!」結果としては、私の操る「紅蓮の炎牙」とリッチー=アガンドラの氷魔法「絶対零度の